『清須会議』みました
各所で話題になってる『清須会議』
三谷幸喜さんは「古畑任三郎」や「王様のレストラン」などドラマならいくつかは観たり知ってますが映画だと有頂天ホテルしかはっきりとみた記憶がなかったです
ただ有頂天ホテルはとても面白かった記憶がありまして
ドタバタコメディでそれぞれの話が全く絡みそうになかったことが絡んでいくみたいな感じが大好きでした
なんていうかテンポとまとまりがよくって落ち着いて笑えたという感じでした
…と、とにかく三谷幸喜さんはあまり詳しく知ってるわけではないですが、三谷幸喜のコメディタッチで歴史物ということで一体どういう映画かと気になり観に行くことに
以下ネタバレ注意
面白かったです
まず個人的に良かったなって思ったところから
滝川一益、織田信雄の二人の壊れっぷりは思わず声を上げるような面白さでした
滝川一益がひたすら走ってるシーン大好きです、随所に入るのがとてもいい演出だなって思いました
旗取り合戦のところの織田信雄もすごいよかった
想像してたのに笑っちゃうような画面でした
やり取りもかなりコメディチックなんですがこれは普通に楽しめました
別に大河ドラマを観にきたわけではないと割り切ればクスッとなるセリフの応酬はみものです
やや狙いすました感じはしますがそれは三谷幸喜さんの計算された笑いというものじゃないでしょうかね
僕はそういうのも好きですので
役者さんの演技に関しては各所ですでに言われてることですが言うことなしかと
主役四人はもちろん寧役の中谷美紀さん、前田利家役の浅野忠信さん、黒田官兵衛役の寺島進さん
これにかぎらず全員がすごいキャラをつかんでてひたすらに感心しました
あとこのことから言えるのがキャラの立ち方がすごい
あれだけの登場人物でそれぞれのキャラにまで役割や見せ場があるのはさすがだと思います
…ただやはり三谷さん自身挑戦した感じがある作品だと思うので気になる点がいくつかありまして
まず僕は映画だと有頂天ホテルしかしらないのですが、それをイメージしながら観るとギャップにびっくりします
この作品思ったより時代劇なのです
シリアスとコメディのバランスは普通の映画としてみればとても絶妙かと思いますが、『三谷幸喜』という名前をどうしても思い浮かべながら観てしまうのでコメディ要素がすごい抑え目にみえました
本人も抑えていると言われてたようですが
決して最初からシリアスなものは期待してなかったのでどうせなら史実をおもいっきりもっとねじ曲げて喜劇にしてもらいたかった気がしないでもないです
そして時代劇としてみるとちょっと物足りない
そもそも清須会議自体がとても難しいテーマだと思います
やたら清須会議に目をつけたのがイイみたいな意見もありますが、そもそもいままで書かれてこなかったのはやっぱり単純に作りづらいからだと思います
僕のイメージではあそこまで複雑な心理戦があったわけではなく秀吉がただただうまく立ちまわったという印象なので
特に三法師周辺の事情がなぁと思わせます
ドラマチックな演出にしたかったとはいえ秀吉や官兵衛が三法師の存在を気づいてないってのは、この二人のすごさをしってるとやや違和感が
三法師に気づく流れは松姫というキャラを立たせるために必要だったと思います
でも僕としてはこの松姫というキャラがそもそもいらないと思います
「歴史の裏に女あり」というのは僕の大好きな司馬遼太郎さん含め時代劇にはいる要素だと思いますが、個人的な感情やネタ抜きに剛力彩芽さんの松姫が無理です
ただただ嫌な女でした
このキャラが秀吉などなどを出しぬいたと思わせる演出のせいで清須会議そのものが茶番にみえてしまいます
このように中途半端に歴史をしってるつもりでいると面白く感じない部分があると思うのですが、逆に知らないとキツイなと思うところもありました
時代劇である以上呼び名もころころ変わったりします、そこらへんを予め知らないと誰のことを言ってるのかわからないのではないかと
それに前半は結構駆け足で進んでいくので清須会議そのものを全く知らないと話の流れ自体が全く分かんないのではないかと
以上長々かきましたが観に行ってよかったなぁと思った映画です
時代劇特有の固い感じはなく落ち着いて見れてなおかつキャラたちのかっこいい見せ場もあって
それにこういう今までにないテンプレから外れた映画は大切だとも思います
でもだからといって戦国モノとしてみたらあの軽いノリにはついてけないかなって
そして三谷幸喜作品としてみても決して笑えるものじゃないかなって
だから余分なことを気にせず一本の映画として観に行くといいかもしれません！
…あ、でもパンフレットとか見てある程度知識入れてみたほうがいいかもです
…やたらくどくど書いていますが面白いですよ、ほんとに
(おまけ)
